ビッグ・フィッシュ・・・★★★★★

ティム・バートン監督といえば、代表作に「バットマン」「シザーハンズ」等のダーク・ファンタジー映画のイメージが強いですが、
よもや、大好きなティム・バートン監督作品で、号泣するとは思いもよりませんでした。
元々はアメリカで1998年に発売されたベストセラー小説「ビッグ・フィッシュ」を映画化。
当初はスピルバーグ監督も映画化の候補に挙がっていたのですが、ティム・バートン監督で本当に良かったです。

そもそも「ビッグ・フィッシュ」とは・・・大きな魚を釣り上げたけれども、竿か折れてしまって逃げられたと、
どんどんと話が大袈裟になっていく様子を意味している言葉通り、主人公の父親も昔から法螺話が大好きで、
一人息子に、若い頃に経験してきた様々な出来事を話すけれども、息子は年齢と共に大きくなっていき、
父親の法螺話も楽しめなくなってしまい、むしろ、嫌いになってしまった時、長年、音信不通だった父親が突然の危篤状態。
そこで主人公は父親の法螺話を自分なりに真っ正面から理解を示していくのですが・・・。

この映画は、父と息子との、ちょっと複雑な親子関係を描いた作品ですが、
監督もまた、この映画を撮る時に父親を亡くし、同時に子供が生まれて父親になった。
そんなリアルな心境が見事にスクリーンに描かれています。
僕もまた、自分の父親と重ねて観てしまいましたね・・・。まだまだ元気に生きてはおりますが(笑)


別段、暗い話ではなく、彼の監督作品らしい、様々な登場人物が、とっても楽しいです。
身長5mもある巨人から、魔女、詩人、サーカス団、シャム双生児などなど・・・。
詩人役のスティーブ・ブシュミが、いつも通り面白くて可笑しいです。
他にも、ダニー・デビートのサーカス団長や、監督の奥さんでもあるヘレナ・ボナム・カータも出演していて、
法螺話をする父親の若き姿にユアン・マクレガーが好青年を演じています。

実はすでに2回観たんですが、2回とも思わず泣いてしまいました。
年間100本以上作品を映画館で観ていますが、今年のベスト10候補ですね!!